『怒らない人は、うまくいく。』 中谷彰宏
自分を許せない人は、まず自分の母親が許せません。父親はあまり関係ありません。父親の役割は、かなり社会生活をしてからかかわってくるので、子供の感情面においてはベースではありません。
怒っている人は、母親を許せない人が多いのです。こういう人は、厳格な家に育っていることが多いです。だらしないお母さんの子どもは、「自分が許せない」とはなりません。
清く正しく美しいお母さんのもとで育つと、自分を許せない人になるのです。(本文より)
怒る根拠は何か?たいていの場合は、自分か自分に近い人が不当な扱いをされたと感じて怒るのです。期待したサービスを得られなかった。他の人より余計に待たされた。店員の態度が良くなかった。などなど、いろんな原因をあげて怒ります。
でも、その感情の根源にあるのはコンプレックスであることが多いのです。同じシチュエーションであっても、それを楽しめてしまう余裕のある人は怒りません。たとえばホテルの予約がダブルブッキングになってしまって、別の部屋、時には別のホテルに変更になるなんてことがあります。
こんな時に、「どうして自分は予定外のことをしなければいけないのだ」と怒るのか。「わ~い、予約よりいい部屋に泊まれる」と喜ぶのか、その差はとてつもなく大きいのです。
自分を被害者にしたがる、自分をかわいそうな人にしたがる、それは紛れもなくコンプレックスのなせる業。イライラしやすい人は、まず自分をかわいそうな人にしたがるクセに気付くべきだと中谷さんは指摘しています。
そのコンプレックスを作り出しているのは、子供のころの母親の言葉であることが多いというのは、何だか考えさせられてしまいますね。「三つ子の魂百まで」なのでしょうか。
そんな刷り込みから抜け出さないとね。あなたは決してかわいそうな人じゃないのですから。
1384冊目(今年39冊目)☆☆☆☆
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