『金曜日の本屋さん』 名取佐和子
大学生の倉井くんは、「必ず自分が読みたい本が見つかる」という噂の「金曜堂」へ行ってみました。その店は北関東にある小さな駅・野原駅の中にあって、最初はこんな普通の書店に自分が探している本が本当にあるんだろうか?という感じだったのです。ところが、お店の人と話をしていくうちに、この書店の秘密が少しずつ解けてきたのです。
この本は4つの短編からなる短編集なのですが、1話ごとにテーマとなる小説が登場するのです。
- 庄司薫 「白鳥の歌なんか聞えない」
- レイモンド・チャンドラー 「長いお別れ」
- ミヒャエル・エンデ 「モモ」
- 梨木香歩 「家守奇譚」
それぞれに、いろんな思いが交錯するのですが、同じ小説を読んだ人たちがそれぞれの思いを話し合うというスタイルが、とてもステキに思えたのです。本に書かれていたことに対して、それぞれが勝手なことを考え、自由に論じる。そういう人がやっている本屋さんだったら、そこは読書好きのパラダイスですよね。
地下の大書庫の秘密もとてもステキでした。シリーズの他の本も楽しみです。
1385冊目(今年40冊目)☆☆☆☆☆
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