『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎
上級生から不当な言いがかりをつけられたり、家が貧しいからといじめられるクラスメートがいたり、そのたびに主人公のコペルくんは考えます。正義とはなんだろう?信じるとはどういうことなのか?お金持ちと貧乏はなぜ存在するのか?自分の意見を言うのか?黙っていた方がいいのか?
いろんなことを叔父さんに質問してみます。それに対して叔父さんは真摯に答えてくれます。優しいことばもあれば、厳しいことばもあります。
意味のない権威を振りかざす人に屈してしまったことを、コペルくんは悲しみ、このままじゃいけないと必死に悩みます。
80年も前に書かれた本だというのに、人間関係というのはちっとも変っていないのだということを感じました。そして、真理を求める気持ちを失くしてしまったら、人間として終わりだということも強く感じました。
何で、今まで読んでいなかったんだろう?小学生のころに読んだらどんな風に感じたんだろう?でも、今読むことに意味があるんですよね、きっと。
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