『ハルさん』 藤野恵美
「金曜日の本屋さん 秋とポタージュ」 で知った「ハルさん」を読んでみました。
若くして奥さんの瑠璃子さんを失くし、男で一つで娘のふうちゃんを育ててきたハルさんの物語。人形作家のハルさんは、ちょっと頼りない人だけど(だからこそ?)ふうちゃんはいい子に育ちました。
結婚が決まり、結婚式場へ向かう車の中でいろんなことを思い出しました。あんなにちっちゃかった子が、立派な花嫁さんになるなんて、夢のようだと思いながら、でもまだピンと来ていない花嫁の父のハルさん。
なんだかね、とっても心に沁みる話なんですよ。頼りないお父さんが必死に頑張るところが、それを助けてくれる今は亡き瑠璃子さんの言葉が、こういう夫婦愛ってのもあるんだなぁって、ジーンとしちゃいました。
ふうちゃんがお嫁に行って、これからのハルさんはどうなっていくのか、ちょっと気になります。続きの物語はないのかしら?
1401冊目(今年59冊目)☆☆☆☆☆☆
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