『六番目の小夜子』 恩田陸
「金曜日の本屋さん 夏とサイダー」に登場した「六番目の小夜子」。恩田さんの本はかなり読んでいるのに、何故これを読んでなかったんだろう?と思い読んでみました。
この物語は、高校3年生の1年間という濃密な時間の記録なのです。部活とか文化祭とか自分の思い出も重ねながら読所で過ごす学校という場は、確かに不思議な所です。毎年新入生と卒業生がいて、常に人は変わっていくけれど、学校という存在は変わらない。
そこには何か継承するものがたいていあります。この学校の場合は「小夜子」という狂言回しが登場する文化祭に「何かが起きる」ということなのです。
それは楽しいことであり、それは怖いことであり、それは全員に関わってくることなのです。
こんな感じを出せるのは、やっぱり恩田陸だからこそなのだと思いました。
素晴らしきデビュー作です。
1402冊目(今年60冊目)☆☆☆☆☆☆
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