『「日本の伝統」の正体』 藤井 銅
庶民が「姓」を名乗るようになって、約140年。
「夫婦別姓」になって、約140年。
「夫婦同姓」に変更されて、約120年。
「選択的夫婦別姓」が議論されて、約50年(長すぎないかい?)
ちなみに、日本の民放制定時、外国に「夫婦同姓」としている国はいくつかあった。が、そののち順次改正。現在、世界では選択制や、別姓など様々だ。夫婦同姓を「義務付けている」のは日本だけ。(本文より)
「日本の伝統」とみんなが信じているものがたくさんあります。祭りとか、国技とか、日本人ならこうあらねばならぬみたいなものの歴史を辿ってみると、意外と新しいじゃない!ということがたくさんあるのです。
「江戸」とか「京都」とかであったり、古い地名「讃岐」「近江」「越前」「薩摩」などが名前についていると、いかにも歴史があるもののように感じてしまうものがたくさんあります。
日本人のイメージ好き、ブランド好きな所に、歴史を感じさせるネーミングやウンチクが加わると、現実を確かめることなく、「日本の伝統ってステキ♥」になってしまうのです。
そして、一回固定されてしまったイメージは覆されることなく時が過ぎていく。ということがホントにたくさんあるんですねぇ。この本で紹介されている様々な「伝統」って、結局はイメージ戦略ばっかりだなぁってことに気づかされました。
「日本の伝統」ってことばに騙されちゃいけませんよ!
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