『夜のピクニック』 恩田陸
主人公が通う高校では、修学旅行の代わりに「歩行祭」を毎年行っています。1日で80kmも歩くこのイベント、大変なのは分かっているけれど、みんなが楽しみにしているイベントなのです。
長時間歩く間、仲の良い友達といろいろな話をします。たわいもない話から始まって、将来の夢とか、家族のこととか、いつもなら話せないような深い話もできたりします。こういう体験っていいよねって思います。
どの時期にとは具体的には書かれていませんでしたけど、稲刈り後の田んぼの描写が出てきたので、たぶん9月後半~10月前半くらいの時期なのでしょう。夏が終わり、高校3年生にとっては受験とか将来のこととかを考える時期なのです。この時期に友達とゆっくり話す機会があるのはいいなぁと思います。
学生時代の友達って、家のこととか、成績とか、性格とか、ほとんどバレバレなので、隠し事が余りないんですよね。だから、意外とシビアなことを相談できちゃう。そういう友達の存在は、大人になってからとても感謝することが多くて、大事にしとけよって本の中の登場人物に声を掛けたくなってしまいます。
夜のピクニックは一度読んだことがあって、調べてみたら14年も前!内容をもっと覚えていたつもりだったのに、けっこう忘れていて、楽しく読むことができました。
また何年かしたら再読してみよう。きっとその時も楽しいぞって思います(笑)
1414冊目(今年72冊目)☆☆☆☆☆
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