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『大家さんと僕』 矢部太郎

大家さんと僕

矢部太郎(やべ たろう)

新潮社

一万円選書 の中の一冊

 大家さん87歳、僕38歳。大家さんの家の2階に住むことになり、初めてご挨拶に行き、僕はビックリしました。「ごきげんよう」と挨拶される方に初めてお会いしたのです。

 

 仕事から帰ってくると「お帰りなさい」の電話が入ったり、雨が降れば「洗濯物を取り込まないと濡れますよ」と言われたり。そして、僕が外出中に雨が降った時には洗濯物を取り込んでおいてくださったり。その後も、大家さんにはいろいろとビックリさせられます。

 

 お茶やごはんに呼んでいただいたりして、少しずつ打ち解けていき、お買い物にお供するようにもなりました。いろんな昔の話を聞かせていただきました。ご家族のお話も少しだけ伺いました。そんなこんなで大家さんと過ごす時間が、少しずつ楽しくなってきたんです。

 

 大家さんはきっと良い家のお嬢さんだったのでしょうね。上品に、無理せずに、静かに暮らしてらっしゃいます。でも、お話を聞くうちに、辛い時代もあったり、楽しいこともあったり、いろんな体験をされてきたことが分かってくるんです。

 

 僕(矢部さん)は、これまで大家さんのようなお年寄りの話をじっくり聞いたことがなかったのでしょうね。普段付き合っている人たちには、ちょっと付いていけない感じなんだけど、大家さんとだったら意外と落ち着いて話ができるってことに気付いたみたいです。心を開いて話ができる友達に初めて出会ったという感覚なんじゃないかしら?

 

1426冊目(今年84冊目)☆☆☆☆☆

 

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