『ぼくがスカートをはく日』 エイミ・ポロンスキー
ぼく、グレイソンは12歳の男の子、でも自分が男の子だということが嫌でしょうがない。どうしてスカートをはいちゃいけないの?ピンクのシャツを着ちゃいけないの?その理由が分からない。でも、そんなことをしたらみんなから変な目で見られるから、自分の頭の中でだけきれいな色の服を来ている想像をしている。
男の子らしくといわれるけど、そんなのがどうしていいのか分からない。どちらかといえば、男子は野蛮で嫌いだ。
学校で劇を上演することになり、その主役になりたいと思って立候補した。主人公は女の子、でもぼくは男の子。演劇を監督する先生や、一緒に劇に出演する友達はぼくのことを認めてくれるけど、そんなぼくに「どうして彼が女の子の役をやるんだ?」と非難する人たちがいる。
自分の身体と心の性が一致しないって、辛いことなんだなぁ。それを言わずにいるのも辛いし、カミングアウトしてからも辛い。どうして、そんなにつらい目に逢わなければならないんだろう?別に理解してくれなくったって構わないんだから、ただ、そういう人がいるって思ってくれればいいだけなのに、どうして責められなければならないんだろう?
世界にはいろんな人がいて、いろんな悩みを持っている。それを誰かに言える人もいれば、言えない人もいる。自分の悩みに気付いてさえいない人だっている。
自分がグレイソンの立場だったら、どう感じるんだろう?っていう想像力のない人たちがいかに多いかってことなんだろうなぁ。自分の知らない悩みを持って生きている人がいて、その悩みを誰にも言えずに一人で悩んでいるんだっていうことを想像したことがないんだろうなぁ?
LGBTだけでなく、いろんな問題を持っている人の最大の悩みは、他人の不寛容なんだと強く感じました。あえて放っておいてくれるというのも愛なんだと思うのです。
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