『強がらない。』 心屋仁之助
人間は「楽しそうなこと」と「怖そうなこと」があれば、先に「怖そうなこと」をなくそうとするのです。つまり、人間関係においても、まず「嫌われたくない」「失敗したくない」という恐れに支配をされているのです。
そのため、なんとか自分を納得させて、自分にウソをついてごまかしながら、小さな疲れをどんどん溜めこみながら毎日を送ることになっていく。
だからこそ、なにかを選択するときには、とにかく自分の心に正直になることです。このように考えてみてはどうでしょう?
「怒る人は、なにをやっても怒る」 (本文より)
他人の目、他人からの評価、外面をまず考えてしまって自分の本音を殺して生きている人が本当に多い、多過ぎます。その結果、自分の身体や心が病んでしまう人が増えるのは当然です。そうなる根本にあるのは「強がり」なのです。
「大丈夫、わたしは1人でできるから!」ってみんな言うんです。何故なんだろう?そんなに無理しなくていいのに、頑張っちゃうんだろう?
仁之助さんの分析によれば、子どものころからの母親の言葉が、そういう人間を形成してしまうのだそうです。「ちゃんとやりなさい」「もっとできるはずよ」なんて叱咤されて大きくなると、間違いなく頑張り屋で真面目な融通の利かない大人になってしまうのです。
好きなことを我慢して頑張ったからって、本当に良い結果が出るのかしら?頑張らなければできないことって本当はやりたくないことなのだから、相当に無理してるはず。いつまでも頑張り続けるなんて変だよね。
好きなことばっかりやってると、お母さんに怒られてたから、そういうことをするのは悪いことだって思い込んでない?ギターを弾くのが好きな子が、寝食を忘れてギターを弾いちゃうみたいなことは、悪いことなの?そんなはずはないよね。好きなことならいくらでも続けられるんだから。
本音で生きていると嫌われることもあるけれど、それ以上に自分を助けてくれる人がいるんだということを、信じられるかどうかが仁之助さんの提案に乗れるかどうかの分かれ目なのでしょう。
「失敗したらどうしよう」じゃなく、「失敗したって何とかなる」って、そう信じられるだけで、毎日がずっと軽くなるんですよ。無理しないで、楽に行きましょ!
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