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『誰にもわかるハイデガー -文学部唯野教授・最終講義-』 筒井康隆

誰にもわかるハイデガー
-文学部唯野教授・最終講義-

筒井 康隆

河出書房新社

現存在とはなにか?

死ぬ存在ですね。必ず死ぬわけです、人間は。自分が死ぬ存在であるということを引き受けて、自分でよくわかっていて、それでなお生き続けているという、そういうことを言っているわけなんですね。(本文より)

 

 この本、ハイデガーの「存在と時間」をとても分かりやすく解説してくれているわけですが、それでも難しい(-_-;)

 

私たちはふだん死を忘れて生きている

 

 そうなんですよ。一度生まれてきたら、いつか死ぬのは必然なのに、それを忘れて生きているのです。忘れないとやってられないからなのか?単にいい加減なだけなのか?

 

 あらゆる大事なことをわたしたちは知っているはずなのに、無視して、思い出さないようにして生きているのです。でも、何かの拍子で思い出さざるを得なくなる。「ああ、そうだったんだ」としばらくは意識しつつ生きていくのですが、また暫くすると忘れてしまう。その繰り返しなのです。

 

 よく言われることですけど「明日死ぬかもしれないと思ったら、今の仕事し続けますか?」とか、「これやっておかないと、死んでも死にきれないって思うことありませんか?」ってことを時々思い出さなければいけないと思うんです。

 

 明日どころじゃなく、1分後には死んでるかもしれないのに、こんなことしてていいのか?

 

 そんなことを考えさせられた本でした。

 

1443冊目(今年101冊目)☆☆☆☆☆

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