『飛ぶ教室』 エーリヒ・ケストナー
この物語の舞台はドイツのギムナジウム(寄宿学校)、日本だと小学校の5年生からの9年間を過ごす学校です。家が遠いので寄宿舎で暮らす生徒と、近くに住んでいるので通学をする生徒が一緒に学んでいます。
いつもは男の子ばかりで暮らしている彼らですが、クリスマスになったら家に帰ることができます。それを楽しみにしている子がたくさんいます。
クリスマス休暇の前日に学校で行われるクリスマス集会で、主人公たちはお芝居をすることになっています。自分たちで話を書き、舞台装置も作り、日々練習を重ねています。
男の子ばっかりだから、喧嘩したり騒いだり無茶したり、それぞれに悩みを持ってるけど、でも元気に毎日を過ごしています。
彼らと同じような学生時代を過ごした先生「正義さん」がホントにステキなんです。ルールを守ることは大事だけど、それだけが全てじゃないってことをちゃんと分かっている大人がいるって、こういう子供ばかりの世界ではとても大事なことです。
この本が書かれたのは1933年。ドイツがナチス政権になった年です。作者のケストナーは、この政権に危機感を持っていたようです。それになぞられたような話が登場してきます。
クリスマスに読むのに、ホントにピッタリな本でした。いつの時代にもクリスマスがみんなの心に灯をともしてくれますように!!
1459冊目(今年117冊目)☆☆☆☆☆
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