『ターン』 北村薫
ある日突然、時が進まなくなってしまったのです。1日の単位では時間は動くけれど、24時間経つとまた同じ日の同じ場所に戻ってしまうのです。どこまで遠くへ行こうと、服を着替えていても、時間がくれば同じ場所に戻り同じ服を着ているのです。
町並みは昔通りで、お店も開いていて、でも誰もいないのです。たった1人で同じ1日を繰り返しているのです。
そんな毎日に嫌気がさしていたある日、突然電話が鳴ります。電話の向こうにいる人と話ができたのです。そこから物語は急展開します。
生きていくだけなら何の心配もない状態で、いくらでも時間はあるのに、その使い道が分からなくなってしまった主人公。これって、現代人の毎日であるような気がします。どうしようもない閉塞感。何をしても無駄という感じ。そこから逃れるにはどうすれば良いのか?
不思議な物語だけど、実は自分のことを言われているような、そんな気持ちになりました。ラストは「ああ、良かった!」という感じですね。
1457冊目(今年115冊目)☆☆☆☆☆
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