『偽姉妹』 山崎ナオコーラ
血縁があるから親子であるとか、結婚しているから夫婦であるとか、法律上はそうなんでしょうけど、心がそれを認められない人は結構いるんじゃないかしら。離婚したって友達関係を続けられる人もいるし、他人だけどすべてを任せられる人もいる。
正子さんはシングルマザーで、彼女のことを心配した姉と妹が同居しています。姉も妹も悪い人じゃないんだけど、どうも価値観が違い過ぎると正子さんは感じています。あなたのためなんだからという、2人からの言葉や態度に違和感を感じているのです。
それよりも、叶姉妹や、阿佐ヶ谷姉妹のように、他人であっても姉妹として生きていくというのが、自分には合っているんじゃないかと思ったのです。
そして、彼女は決断したのです。この2人には出て行ってもらって、友人2人と偽姉妹になろうと。
こういう考え方って、何だかとてもよく分かります。心のどこかで違和感を覚える身内より、何でも話し合える友達と暮らしたい。老後もその方が安心だという気持ち。
超高齢化時代がやってくると言われてますけど、こういう考え方で生きていく人が増えてきそうな気がします。
「遠くの親戚より近くの他人」といいますけど、「心が通わない家族より、分かり合える他人」の方が一緒に暮らすにはいいのかもね。
1446冊目(今年104冊目)☆☆☆☆☆
« 『集中力はいらない』 森博嗣 | トップページ | 『ニキの屈辱』 山崎ナオコーラ »
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『おしごとそうだんセンター』 ヨシタケシンスケ 24-319-3345(2024.11.09)
- 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』 椰月美智子 24-301-3327(2024.10.22)
- 『きのう何食べた? 23』 よしながふみ 24-287-3313(2024.10.08)
- 『葉っぱ切り絵いきものずかん』 リト@葉っぱ切り絵 24-219-3245 (2024.08.02)
コメント