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『僕の母がルーズソックスを』 朝倉宏景

僕の母がルーズソックスを

朝倉宏景(あさくら ひろかげ

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 潤平くんは16歳の高校生です。彼の母、芽衣子さんは普段は怒ることもなくフワフワっとした感じの普通の主婦でした。ところがある朝、いきなり変なことを話し始めたのです。「わたしは何故ここにいるのか?」「ピッチはどこにあるの?」そして、自分は17歳だというのです。

 どうにも訳が分からないし、自分1人ではどうにもならないので、従妹の帆乃夏に助けを求めて芽衣子さんの話を聞いたり、病院へ行ったり、右往左往するうちに少しずつ芽衣子さんの状況が分かってきたのです。

 芽衣子さんの17歳の時の記憶、それは今まで聞いたことも、想像したこともないような話でした。潤平くんにとっては面倒くさい母親としての認識しかなかった芽衣子さんにも、高校生だったころがあったんだって初めて気が付いたのです。

 そして、芽衣子さんのことだけでなく、自分に関わるいろんな人のことが分かってきて、今まで知らないことがたくさん分かってきて、潤平くんは、なんて自分は思い違いをしていたんだろうって思うのです。

 両親との関係がイマイチだった潤平くん、この事件のおかげで今までよりも優しい気持ちで彼らと接していけるのでしょうね。

 子供にとっての親って、いきなり大人から始まってますからね。彼らにも子供時代や青春があったってこと、気付かないままなんですよね。どんな形であれ、親の若かったころのことを知ることができるってステキなことだなって思います。

#僕の母がルーズソックスを #NetGalleyJP

1472冊目(今年10冊目)☆☆☆☆☆

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