『図書館の主 14』 篠原ウミハル
宮本さんの元カノの利帆子がタチアオイ図書館にやってきて、宮本さんのことが大好きな神田さんはドキドキものです。お姐さんの早苗さんがフォローに入ってくれてますけど、ドキドキは止まりません。
宮本さんの悩みは、自分がついつい強がったウソをついてしまうことです。利穂子さんの前では、ついついカッコつけてしまって、ウソをついてしまうのです。そんな自分が嫌なんだけど、どうしていいのか分かりません。
新見南吉の「嘘」を読んでみて、宮本さんは自分のウソについて思い悩みます。
ウソって2種類あるんですよね。積極的に自分からつくウソというのと、本当は違うんだけど違うということを言わないウソ。相手を傷付けたくないから、自分を傷付けたくないから、なんていうウソはいい方ですけど、これを相手に言っても無駄だからと諦めてしまってつくウソは悲しいだけです。
クリスちゃんは、諦めてウソついてましたね。でも、ウソは結局自分を傷つけてしまいます。だったら、ちゃんとホントのことを言ってしまった方がいいんですよね。結局自分の意見が通らなかったとしても、あの時言っておけばよかったと思うよりはずっとマシですもの。
児童文学って、単純そうに見えて結構難しいテーマを取り上げているものが多いんだなって、このシリーズを通して感じるようになりました。御子柴さんが勧めてくれた「砂の妖精」、是非とも読んでみたいと思います。
1487冊目(今年25冊目)☆☆☆☆☆
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