『君の膵臓をたべたい』 住野よる
膵臓の病気で余命1年の桜良。親友にすら伝えていなかったその秘密を、偶然に知ってしまった主人公の青年。
病気のことは絶対に誰にも言わないでよ。その代わりにおいしいものを食べに行ったりするのに付き合わせてあげる、という感じの桜良に引きずられるように付き合い始めた彼は、彼女の開けっぴろげな明るさに翻弄されていきます。
人と付き合うのが不得意な彼は、桜良から「わたしと正反対ね」と言われ続けながらも、少しずつ打ち解けていくのです。
自分の余命がこれだけと知ってしまったら、わたしだったら何をするんだろう?どこへ行きたいんだろう?誰と話をしたいんだろう?彼女みたいに自分を出し続けていけるんだろうか?って思いながら読み続けました。
最後の方の桜良のお母さんの「あなたと出会ってから桜良は泣かなくなったのよ」という言葉に、「ああ、そうだったんだ」と思ったら、涙がこぼれてしまいました。
短い期間だったけど、桜良は彼に出会えて本当に幸せだったんだなって思うラストでした。
1490冊目(今年28冊目)☆☆☆☆☆
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