『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』 ミック・ジャクソン
こうしてイギリスから熊がいなくなりました
Bears of England
ミック・ジャクソン
Mick Jackson
デイヴィッド・ロバーツ 絵
David Roberts
田内志文(たうち しもん)訳
イギリスの熊たちは、11世紀に絶滅してしまったのだそうです。理由は乱獲だそうです。13世紀にはイノシシも絶滅。他の野生動物も激減し、おかげで唯一残ったウサギが草木を食い荒らし、木が生えないという状況になったこともあるとか。イギリス人は狩りが好きな人たちなのでねぇ。
キツネ狩りも大好きで、キツネが少なくなった時点で外国から輸入してまでキツネ狩りをしていたっていうのにはビックリ!狩りはスポーツであるという感覚だから、そんなことができてしまったのでしょうね。
この本で語られる物語はファンタジーですけど、イギリス人の野蛮さが根底にあるような気がします。下水道で熊たちを働かさせたり、見世物にしたり、サーカスから脱走した熊たちを追い詰めたり、決して熊たちに優しい人たちじゃないですね。
確かに熊は大きくて怖い動物ですけど、人間の方がずっと怖いなぁと思います。
日本から熊はいなくなりませんよ。イギリス人ほど残酷じゃないもの。
1491冊目(今年29冊目)☆☆☆☆
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