『ぼくは本を読んでいる。』 ヒコ・田中
小学5年生のルカはそれまで読書には興味を持っていませんでした。ある日、「本部屋」と呼んでいる両親の書斎の本棚で、カバーがかけられた古い本を見つけてしまったのです。最初に手に取ったのは「小公女」でした。両親に隠れて読むというスリルに誘われて、この本を読んでみることにしました。
小公女の主人公「セーラ」の自尊心にルカは惹かれます。相手が先生であっても、怯むことなく対峙する姿にカッコよさを感じるのです。分からない言葉を調べながら読むので、スラスラ読んでいるわけではないのですが、本を読むことの面白さに目覚めていきます。
ルカくんが素晴らしいのは、疑問をたくさん持っていることです。それって何なの?どうしてそうなるの?家ではこれが普通だと思ってたけど、よその家では違うルールがあるらしい?
それを自分で調べたり、誰かに聞いたり、「何故?」をそのままにしておかないところがルカくんの素晴らしい所です。
転校してきたばかりの、読書好きなカズサさんと仲良くなり、本の話をしたり、家族の話をしたり、スーパーマーケットへ一緒に行ったり。自分が知らないことが世の中にはたくさんあるんです。それを楽しむことができるっていいですよねぇ!
自分が小学生だった頃のことや、ルカくんが読んでいる本のことを思い出したり、子供の目線で考えるって面白いなぁって思いました。
ルカくんの父親が言っていた、「自分の目線でばかり考えてしまう」って、大人がハマりやすい所ですよねぇ。それぞれの立場での考え方を知ろうとすることって大事です。
いろんな意味で、面白い本でした。子供だけでなく大人にも読んでもらいたい本です。
この本は 書評サイト 「本が好き!」 より提供して頂きました。どうもありがとうございました。
1493冊目(今年31冊目)☆☆☆☆☆
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