『心のイタリアごはん 1』 野崎ふみこ
かつてイタリア料理店だったお店で、宝さんは生パスタ教室をやっています。生パスタとソースを作って、試食をして、そこまでは普通のパスタ教室ですけど、食後にオプションで心理カウンセリングをしています。
心理カウンセリングの最初の言葉はいつも、「あなたのこと何と呼ばれたいですか?」なのです。
普段呼ばれている名前って、家族からはママ、お母さん、よその人からは名字(〇〇さん)とか、本人が呼ばれたいと思っているものとは違うことが多いんです。ホントは自分が本当に呼ばれたい名前ってものをみんな持っているのに、それを言えていない人が多いんです。
それに、普段から心の中に溜め込んでいる黒いもの(愚痴、ひがみ、悪口)を吐き出すことなく、溜める一方ってことが多いのです。
このお店に来た人たちは、最初は「そんなことない」「大したことない」って言ってますけど、宝さんに背中を押されて、自分の中にしまい込んでいた黒いものを吐き出すことで、何かをつかんで帰ることができるようになります。
宝さんが言っていた、「わたし可哀想な人をやめたんです」っていう気持ち、この作品を読んだ人みんなが感じてくれるといいなぁって思います。
1503冊目(今年41冊目)☆☆☆☆☆
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