『発達障害グレーゾーン』 姫野桂
脳科学の観点から言うと、達成感を得ることでセロトニンやドーパミンが脳で分泌されて気持ちよくなるのでまた頑張るというサイクルが大切なんです。頑張ったけれどうまくいかないとセロトニンやドーパミンも出ない、でも頑張らなきゃいけない。そうやって発達障害だけじゃなく、二次障害としてうつ病になる人もいます。発達障害の当事者は特にそのサイクルにハマりやすい。(本文より)
発達障害があるために社会生活を送るのが大変だったり、家族と上手くやっていけなかったりすることがある。ということが社会的に少しずつ認知されてきましたけど、まだまだ分かってもらえないことが多いのですね。
はっきり発達障害(クロ)だと認定されてされてしまえば、まだ説明がつくのですが、シロでもクロでもないグレーの状態の人が沢山いるのだそうです。そして、周りの人たちと上手くやっていけないストレスをため込んで生きているのです。
自閉症傾向やASDの人は、もともと自分を客観的に見るのが苦手です。だからセルフチェックしても意味がないわけです。(本文より)
グレーの人の中にも、ある程度自覚がある人と、全く自覚がない人がいます。ある程度自覚があっても、それを確認するために医療機関を訪れることをためらっている人もいるし、医療機関でグレー判定されてしまう人もいるのです。
発達障害の人へのインタビューがいくつかあって、それを読んでみると「なまけている」とか「努力が足りない」って言われてしまうことに傷ついている人がホントに多いんだなぁって思います。
努力などでカバーできる点は確かにあります。自分はこれが苦手なのだと打ち明けて助けてもらうという方法もあります。でも、それをお願いできるような信頼できる人に出会えるかどうかが、大きなポイントであるのも事実です。
発達障害かどうかに関わらず、誰にだって得意不得意があります。お互いの違いを理解しあうこと、お互いの良いところを重視すること、それができる社会にするのは、わたしたち一人ひとりの心にかかっているんだなと強く思うのでした。
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