『わが家は幽世の貸本屋さん あやかしの娘と祓い屋の少年』 忍丸
夏織さんは人間なのだけれど何故かあやかしの世界に迷い込み、養父の東雲さんに育てられました。東雲さんはあやかしの町で貸本屋を営んでいます。でも本を借りたいという要望があれば、東雲さんはお金がないあやかしさんにもタダで貸してしまうから、いつもお金が足りなくて、夏織さんは人間の世界へ行ってバイトをしています。
ある日、水明という青年があやかしの町で倒れているのを見つけて、東雲さんの家へ連れてくることになりました。怪我の手当てをしてもらった水明は、しばらくこの家に厄介になりたいというのです。
あやかしというと怖いものと思いがちだけど、この町のあやかしさんたちは結構優しい心もちの人が多くて、夏織はそれを普通のこととして捕らえているけれど、水明にはそれがなかなか理解できません。
カラス天狗の金目と銀目兄弟との友情や、はつと佐助の悲しい物語、ななしさんとの不思議な関係。
あやかしになるにはいろんな理由があって、みんな少なからず悲しい気持ちを抱えているというところに心惹かれます。
そして、東雲さんの店の、いくらでも本が入る本棚はとっても羨ましいな!
#わが家は幽世の貸本屋さん #NetGalleyJP
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