『川っぺりムコリッタ』 荻上直子
高校生の時に母親が失踪し、1人で生きなければならなくなった山田くん。もがきながら生き続けているうちに悪い仕事に手を染め、前科者になってしまいました。すっかり自分に自信が無くなってしまった彼は、紹介してもらった仕事に就くために、知らない町へやって来ました。
いかの塩辛工場で働き、徒歩で通える場所にある古いアパートに暮らすことになりました。勝手にご飯を食べにくる島田さん、大家の不愛想な南さん、墓石を売っている溝口親子。隣人たちは不思議な人ばかりです。
でも、少しずつ隣人たちのことが分かってくるに連れて、不思議な連帯感が生まれてきたのです。
そして工場の社長さんも、先輩の中島さんも、黙って山田くんのことを気にしてくれています。
貧乏でも、不幸な過去があっても、今を楽しく生きていくことはできるんだって、やっと気づくことができたんです。
ずっと孤独だった山田くんにとって、家族のような気持ちを持てる人達に囲まれて生きられるということは、本当に幸せなことなんですよね。
※ムコリッタ(牟呼栗多)とは、 仏典に記載の時間の単位のひとつ 1/30日=2880秒=48分
#川っぺりムコリッタ #NetGalleyJP
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