『天地ダイアリー』 ささきあり
広葉くんは転勤族の子供で、転校するたびにそこのルールに乗っかって生きることの難しさを痛感していました。中学生になるタイミングで、過去を清算したいと思いつつも、なかなか前向きになっていけません。過去のトラウマでマスク依存症であることも、アレルギーがあるからということでごまかしていました。
中1の新しいクラスで、なるべく楽なのがいいなぁと選んだのが栽培委員だったんですけど、想像していたより用事が多くて面倒だなって思ってます。
広葉くんは、自分が誰かから嫌われないかということがとても心配なんです。こんなことをしたら?あんなことを言ったら?クラスメートから変な奴と思われないか?ハブられないか?いつもいつも心配しています。
最初は面倒くさいと思っていた栽培委員の仕事に関して、ちょっと考えるようになってきました。植物を育てるには水や土や天気やいろんなことを気にしなければならないということに気付き、そういうことを自分から勉強するようになってきたんです。
先生から教わるだけでなく、自分から勉強し、友達と話し合い、そんなことを続けるうちに、少しずつ他人の目が怖くなくなってきたんです。
世の中にはいろんな人がいます。最初は変な人だと思っていた先輩がとっても自由でステキな人だと気がつきました。自分が言いたいと思ったことは言っていいんだということにも気がつきました。
広葉くんは少しずつ心を開き、信じられる友達もできました。
一つの気付きが人生を変えることもあるんだね、広葉くん!
#天地ダイアリー #NetGalleyJP
1542冊目(今年80冊目)
« 『絲的ココロエ』 絲山秋子 | トップページ | 『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』 汐街コナ ゆうきゆう »
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『からさんの家 まひろの章』 小路幸也 332(2023.11.29)
- 『こえてくる者たち 翔の四季 冬』 斉藤洋 335(2023.12.02)
- 『黒と白のあいだで 翔の四季 秋』 斉藤洋 320(2023.11.17)
- 『吼えろ道真』 澤田瞳子 328(2023.11.25)
- 『江戸へようこそ』 杉浦日向子 336(2023.12.03)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『自分をよろこばせる習慣』 田中克成 338(2023.12.05)
- 『これからの時代を生き抜くためのジェンダー & セクシュアリティ論入門』 三橋順子 334(2023.12.01)
- 『訂正する力』 東浩紀 326(2023.11.23)
- 『京都を歩けば「仁丹」にあたる』 樺山聡 京都仁丹樂會 327(2023.11.24)
« 『絲的ココロエ』 絲山秋子 | トップページ | 『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』 汐街コナ ゆうきゆう »
コメント