『夢も見ずに眠った。』 絲山秋子
沙和子と高之は仲の良い夫婦なんだけど、なぜか噛み合わないところがある。それが何故なのかは良く分からないけれど、どちらかが悪いというわけじゃない。
沙和子が単身赴任するかどうか相談した時に、高之はあっさり認めてくれた。でも、それが高之がおかしくなっていくきっかけになったのかもしれない。
お互いのことを認めつつも、抱えてしまった距離感、違和感。2人はそれぞれの立場で悩み続けたのです。
特別に相手のことを嫌いというわけではないけれど、一緒にいる意義を見出せなくなってしまうというのは、実に現代的な疑問なのだと感じます。これまでだったら、嫌いじゃなきゃいいじゃないかで済んでいたけれど、それでは自分に対して正直ではないという考え方に、とても共感できてしまうのです。
実に難しい感情ですが、これこそが今の時代の人間関係なのだと感じました。
最後には、高之さんが自分らしさを少し見出してきて、2人それぞれが新しい世界へ進むことができるようになったのがとても嬉しかったです。
1579冊目(今年117冊目)
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