『冨田勲 -伝統と革新を融合させた巨星-』 妹尾理恵
わたしの冨田勲さんとの出会いは「ジャングル大帝」のテーマ曲でした。小学生だったわたしは、テレビアニメ作品にあんなにも壮大な曲を作るなんて、凄い人だと感じたのです。
冨田さんは手塚さんとの約束があって、アニメ作品を作ったらその主題歌を作ることになっていたのですが、アトムのときにはそれができなかったので、この曲には相当な思い入れがあったという話を聞いたことがあります。
冨田さんは作曲家としての初期のころ、NHKの仕事をたくさんしてらっしゃいました。「天と地と」などの大河ドラマや番組のテーマなど、沢山の音楽を手掛けられてきたのですが、「今日の料理」のテーマが富田さんの作品だというのは、この本で初めて知りました。
冨田さんといえばムーグシンセサイザーですが、これを輸入したときに税関から「この大きな機械が楽器だと証明して欲しい」と言われて困ったという話にはビックリです。確かに楽器というよりは電話交換機のような見た目ですからね。当時の人たちが理解できなかったのは当然だったと思います。
この本には多くの写真が収められていて、言葉だけでは説明できないことがいろいろあるなぁと思わせるものがあるんだなと感心しました。
1577冊目(今年115冊目)
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