『無意味のススメ』川崎昌平
意味の最大の罪は、私やあなたから、「間違える自由」を奪ったことにある。(本文より)
日本人は間違えることを怖がるとよく言われます。間違って、それを指摘されたり、怒られたりするのが怖いから、間違えないように徹底的に調べてから行動するのだと。それって、とても悲しい作業だと感じます。間違えから学ぶことって、とても大事なことなのに、間違えるってとても重要な経験なのに。それを回避したくてしょうがない世界って、何だか嫌だなぁって思います。
もし、あなたの行為が誰かからの「それ、意味あるの?」という批評に晒されたら、こう答えよう。「違うよ、意味がないから、しているんだ」と、堂々と、胸を張ってそう答えてほしい。無意味は何の罪でもない。
自分が好きなことって、他人にとってはどうでもいいことがほとんどです。それさえ理解できてれば、あっさりと答えられるものだと思います。「そう、無意味だよ。だけど、やりたいからやってるのさ」ってね。
生きていることに、意味はある。その意味をより輝かせるものが、無意味である。
どんな人でも何かの意味を持って生まれてきています。でも、それを本人が分かっていないことがほとんどです。でも意味なんて分からなくていいんです。無意味であるってことは決して悪いことじゃないんだから。変な意味づけをして、それに振り回される方がよっぽど空しいのですから。
無意味な毎日を、淡々と、静かに生きていく。それでいいじゃないですか。
この本は 書評サイト 「本が好き!」 より献本して頂きました。どうもありがとうございました。
1598冊目(今年136冊目)
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