『人をつくる読書術』 佐藤優
佐藤さんが凄い読書家であることは知っていましたが、その原点が子供の時のお父さんの絵本の読み聞かせだったというのにはビックリでした。
鈴木宗男事件で拘置されていた時も、拘置されている長い時間を読書で過ごされて、なんと220冊も読破されたというのは、いかにも佐藤さんらしいエピソードだなと思いました。
佐藤さんはチェコのプロテスタント神学者、ヨゼフ・ルクル・フロマートカに興味を持ち、チェコに留学するためには外交官になろうと考えたというのです。しかし彼はロシア担当となり、ちょっと違う道に進んでしまったのかなと思いきや、結局は自分の求める方向の学びができたというのです。運命とは不思議なものです。
この本の中でさまざまな本を紹介されています。絵本から哲学書まで、実に幅広い本が紹介されていて、ぜひ読んでみたいと思う本がたくさんありました。歴史の本もあれば、SFやミステリーで推理力を養うとか、「君たちはどう生きるか」のような普遍的な本を読もうとか、あるカテゴリーに捕らわれることなく、複眼的な思考をできるように様々な本を読むことをすすめられています。
何か自分が知らないカテゴリーの本を選ぼうと思ったら、大きな書店へ行って書店員さんに相談しなさいと佐藤さんは言っています。様々な本を読んでいる書店員さんだからこそ、バラエティに富んだ本を選んでくれるのだというのは、実に面白い視点です。
そして、東京拘置所に拘置されたカルロス・ゴーン氏にシンパシーを感じた文章を書かれているのが印象的でした。何か分らない力によって捕らえられてしまったことの不条理さは、佐藤氏にとって余りにも辛い体験なのでしょうね。でも、それに負けることなく今日も活躍されています。
これだけの優れた頭脳を手放してしまったのは外務省にとって大きな痛手だったでしょう。でも、こういうことはこれからもまた起きるのでしょうね。
1616冊目(今年154冊目)
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