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    (by 本田宗一郎)

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『色彩』 阿佐元明

色彩

阿佐元明(あさ もとあき)

第35回太宰治賞受賞作

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 プロボクサーとして生きていきたかったけど、ケガであきらめた千秋。今彼は塗装業の職人として働いている。親方も同僚もいい人で、現場の作業はきついけど、楽しく仕事をしています。

 塗装業といっても、ペンキを塗るだけの仕事ではありません。時には自分たちで足場を組み、汚れた壁や床を削る作業もしています。そこまでしなくてもと思いながらも、「何でも食べないと大きくならないぞ」という親方に従って、毎日淡々と仕事をしています。

 現場仕事は、いろいろな苦労があります。屋外であれば夏は暑いし冬は寒いし。屋内であれば寒気が悪くて誇りまみれになったり。高いところや危険な所での仕事がたくさんあります。ですから保安上も休憩をきちっと取ることが大事なのです。なのにそれを理解しないで「休んでばかりいる」とクレームをつけてくる人もいます。逆に、ご飯作ったから食べていきなさいと言ってくれる人もいます。

 仕事も大変だけど、クライアントとの関係も結構大変なんです。

 仕事が増えそうなので人を増やそうということになり、美術系の専門学校を出た加賀くんが会社にやってきました。ひ弱そうな姿を見て、こんな子が現場仕事をやっていけるのかと不安に感じたけれど、仕事の覚えも早く、あっという間に会社になじんでしまいました。

 線が細くて、頼りない感じで、でもそこが人に好かれるポイントでもある加賀くんのことを、千秋はどうも好きになれないのです。

 千秋は、自分が何のために生きているかという目標を見失っていたのかもしれません。加賀くんとの関りから、それが分かってきたのは千秋にとってとても良いことだったのだのでしょうね。

#色彩 #NetGalleyJP

1618冊目(今年156冊目)

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