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『イノセントマン ビリージョエル100時間インタヴューズ』 フレッド・シュルアーズ

イノセントマン
ビリージョエル100時間インタヴューズ

フレッド・シュルアーズ
Fred Schruers

斎藤 栄一郎 訳

NetGalleyJP

米国

 ビリー・ジョエル、素晴らしい曲を沢山作りその多くをヒットさせている。ピアノを弾きながらシャウトするロッカー。若い頃にやっていたボクシングで鼻が曲がってしまった。バイクが大好きで暇を見つけてはツーリングを楽しんでいる。そんなところがわたしの彼に対する知識のすべてでした。

 この本の中で、彼の生い立ちから現在に至るまで、ありとあらゆるエピソードが登場するのです。結婚・離婚、マネージャーと上手くいかなかったこと、自動車事故、アルコール依存症、鬱病、など、どうしてこんなにも事件が起きるのやら、ビックリするようなことが連続しているのです。

 ビリーが成功したミュージシャンだから、そこに集まるお金に群がる人が多いというのは分かるのですが、欲まみれの人たちに気付かないビリーの素直さというか、人を信じすぎる部分に付け込まれ続けていたんですね。つまり、ビリー自身がイノセントマンであったということなのでしょう。

 余りにも有名になってしまったビリーは、一段上に持ち上げられてしまって、現実と向き合うことが難しかったんだろうなぁ。本当に信じられる人だと思っていた家族やマネージャーに騙されてしまうという不幸に、何度も遭遇してしまったのは、やっぱり悲しいなぁと思うのです。

 ”We don't start the fire ” という曲が、ショーン・レノンとの会話から生まれたというのが不思議ですね。自分の子供の世代の人たちは、歴史のこんなことも知らないんだという驚きから、これをちゃんと伝えなければならないと思って曲を作ったっていうんですから。

 ブルース・スプリングスティーンとの交友関係も面白いですね。バイク好きという共通の趣味から始まって、どんなことでも話し合えるいい友達なんですって。腹を割って話ができる同じような境遇の人ってなかなかいないですから、彼と過ごす時間はとても貴重なのでしょうね。

 ミュージシャンは、特別な才能とともにエキセントリックな部分も必ず持ち合わせていて、そのために苦しむ人が多くて、ビリーもそうだったんですけどね、それをどう乗り越えて行くのか、随分と長い時間がかかったようです。

 そんなビリーも今年でもう70歳、いろんなしがらみから解放されて、楽しい人生を送って欲しいなと思います。

#イノセントマンビリージョエル100時間インタヴューズ #NetGalleyJP

1647冊目(今年185冊目)

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