『希望の図書館』 リサ・クライン・ランサム
ラングストンくんは父さんと2人でシカゴへやって来ました。それまではアラバマでのんびりした暮らしをしていたのに、シカゴは大きな町だから人はたくさんいるし、とにかく歩く速度が速いのです。ラングストンくんは、そのスピードについていくのがやっとでした。
学校では、いじめっ子が彼のことを「いなかもの」とからかいに来ます。できるだけ相手にしないようにしているのに、奴はしつこいのです。やっとの思いでアパートに帰っても誰もいません。父さんが仕事から帰るまでいつも1人ぼっちで留守番です。
ある日、いじめっ子から逃げようと、別の道で家へ帰ろうとして知らない道を歩いていたら、図書館の前に出たのです。ここの人たちはみな優しくて、図書館のことを何も知らないラングストンくんにいろんなことを教えてくれます。ここでは黒人であっても本を借りることができると知り、彼は1冊の本を借りて帰ります。
美しい文章がラングストンくんの心に沁みていきます。そして、自分にとって大事な時間を作り出すことの素晴らしさに目覚めていくのです。
ぎくしゃくしている父親との関係、なぜシカゴへやって来たのか、第二次世界大戦が終わってすぐの時代に黒人の置かれている状況、いろんなことを、分からないままに受け入れなければならない事がたくさんあるのです。
本を読むことでラングストンくんは、いろいろなことが分かっていきます。きっと学校でも家庭でも、少しずつ上手くやっていけるようになるのでしょうね。
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