『ぷくぷく』 森沢明夫
イズミさんは一匹の金魚を飼っています。頭の上に白いハートのような柄があるので「ユキちゃん」と名付けました。イズミさんは可愛い子なのに、なぜか恋にはオクテで彼氏はいません。さみしくなるとユキちゃんと話をしたりしています。
ユキちゃんは金魚すくいでイズミさんに出会いました。この家に来てからは静かで平和な毎日を過ごしていますけど、金魚屋さんにいたころは辛い思いをしていたのです。自分だけ他のことは姿が違うのでいじめられていたのです。
ユキちゃんのつぶやきは、自分が何もできない存在であることへの嘆きがほとんどです。自分はただ生きているだけで、イズミさんが困っていても何もしてあげられない。優しい言葉もかけてあげられない。どうしたら、この気持ちを伝えられるんだろう?いや、伝えることなんてできやしない!
ユキちゃんも、イズミさんも、イズミさんの友達のチーコさんも、イズミさんのことを好きな太陽さんも、みんな過去に辛いことがあって、それを抱えたまま生きているんです。それを苦にして何もできないでいるのって、ホントに辛いですね。それをどう乗り越えて行くのか、それは「愛」なのかな?
心は傷つかない。ただ、磨かれるだけ。
自分にとっての障害をどう乗り越えて行くのか。障害と思っていたことは実は大したことじゃなかったのか。いろいろと考えさせられる物語でした。イズミさんも、ユキちゃんも、幸せになってね。
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