母のことを思い出した
わたしは母から褒められた記憶がほとんどない。だからといって、怒られた記憶が多いというわけでもない。
小学生の頃、通信簿を親に見せるのがイヤだという友達がたくさんいた。でも、わたしはそれがイヤだと思ったことはない。わたしの成績は怒られるような成績ではなかった。むしろ褒められる成績だったと思う。しかし母は褒めてくれなかった。「この程度の成績は当たり前だ。わたしの娘なのだから。」といつも言っていた。その言葉は子供だったわたしにとって冷たく響く言葉だったけれど、母はそう思っていなかったらしい。
何十年も後になってから、わたしは通信簿について褒めてもらったことはないと母に話をしたら、そうだったかしら?と言われた。きっと母はそんなことを覚えてもいなかったのだろう。
この間、友達から言葉で傷付けられるのが困るという相談をされた。それは辛いよねという話をしていて、そういえばわたしはそういう目にあったことがほとんどないなぁと思った。それに、周りから「あなたは、あーだこーだ」という事をいわれることがほとんどないなぁと思う。
どこかオドオドしているところが見える人は、他人から突っ込まれやすい。本当は親切心からなのかもしれないけれど、余計なおせっかいは止めて欲しいと思っても、それをきっぱりとイヤと言えない人は、しょっちゅう突っ込まれる。
わたしはいつも堂々としていると言われる。自分では気が付かないけれど、どうもそうらしい。だから行動や発言に突っ込まれることはほとんどない。言われても、それがどうしたと思っている。
こんな性格は母から刷り込まれた「わたしの娘なんだからできて当たり前じゃない」が効いているような気がする。おかげで可愛げのない人になったような気がするけれど、いじめられるよりはずっとましだと思っている。
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