『健康マニア、何が楽しい』 新見正則
TVでも、ネットでも、雑誌でも「健康に良い」というセリフはキラーコンテンツになっています。健康に良いという情報を信じて、それを取り入れる人ってホントに多いんですよね。
1日1万歩ウォーキングとか、何とかドリンクとか、「健康のためなら死んでもいい」みたいな人ってが、結構います。
それでいいんですか?と警鐘を鳴らしているのは、イグノーベル賞を受賞したこともある新見先生です。世間の人たちが深く考えもせずに信じている健康法に「ちょっと待った」とおっしゃっています。
自分の垢こそ一番の防御機能(本文より)
お風呂では石鹸の泡をブクブク立てて、ガシガシ身体を洗わないと気が済まない人、結構いますよね。それは止めてくださいって先生はおっしゃっています。皮膚の表面にある垢の部分が外敵から身を守ってくれているのに、それをわざわざ取ってしまっては意味がないんです。柔らかい手ぬぐいやタオル、あるいは自分の手でたまに身体をこするくらいで十分なんだそうです。それ以上のことをすると、皮膚が傷ついたり乾燥したりしてしまいます。
普通の人の場合、手洗いだって流水だけで充分だそうです。石鹸やアルコールを使ったら、皮膚が痛むだけで何も良いことがないのですって!そもそも、こんなにキレイキレイしなきゃいけないっていう常識は日本だけのものですから。
健康にとっていちばん有効なのは”希望”だと思っています。何かを信じ、希望を持つことは、とっても大事です。
長生きしたいとほとんどの人が言います。でも、何のために長生きしたいのでしょう?やりたいこともないのに長生きしてどうするの?
タバコが身体にいけないというのは多くの人が認めるようになりましたけど、お酒は?甘いものは?どうなんでしょう?本当に好きなものなら、それを我慢してちょっと長生きして意味があるのですか?それよりも、好きなものをニコニコして楽しむ方が希望のある人生なのじゃありませんか?
それをできないのは、死ぬのが怖いから?
人間、どうせいつかは死ぬのですから。
この世に生まれていたら、いつかは死ぬんです。これだけはみんな平等です。いつかは確実に死ぬのだから、やりたいことはやっちゃった方がいいんじゃないですか?外へ出れば交通事故に遭うかもしれないし、変な病気をもらうかもしれないし、そんなリスクは覚悟して外出してるんでしょ!食べ物だって、生活習慣だって、どんなことにだって良いことと悪いことの両面があるんです。
健康のためにジョギングしてたとして、メンタルや内臓には良くたって、足には負担がかかっているかもしれません。その両面を比べてみて、自分が良しとする方が大きかったらやり続ける、そういう自分なりの選択が大事なのです。誰かから言われたからやるのではなく、自分がやりたいから、楽しいから、それであれば多少の無謀はやってもいいんです。死ぬときに「あれをやっておけばよかった」という残念な気持ちを残さないようにね。
新見先生のことは、ピーター・バラカンさんのポッドキャスト「Tokyo Midtown presents The Lifestyle MUSEUM_vol.562」で知りました。先生のお話が実に面白い!真に人の身体や心のことを考えてらっしゃる方は、考えることが違うなぁと思うのです。
1645冊目(今年183冊目)
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