『わたしの美しい庭』 凪良ゆう
統理(とうり)くんと百音(ももね)ちゃんは、ちょっとわけあり親子です。統理くんの学生時代からの友人、路有(ろう)くんはマンションの隣の部屋に住んでいます。毎日、朝食は路有くんが作り、夕食は統理くんが作り、いつも3人で食卓を囲んでいます。3人は血は繋がっていないけど家族なのです。
彼らが住んでいるマンションの屋上に神社があって、統理くんはそこの宮司さんをやっています。この神社に、何かの縁を切りたい人がやってきます。この神社は切って欲しいと頼まれたものが悪縁であれば、ちゃんと切ってくれるし、良縁であればそのままにしておいてくれるということで、ご近所では評判の神社なんですって。
この3人にはそれぞれに困りごとがありました。でもそれなりに折り合いを付けて生きてきました。3人の友人の桃子さんも、基くんも同じです。最初は、こんなこと誰にも言えないって悩んでいたのに、聞いてくれる人がいるだけで心が晴れるんです。
人はみな勝手なものです。あの人は可哀想とか、大変ねといいながら、どこかで自分の方がマシと思っていたり。どうってことない話をしていても、自分の方が劣っている、ダメだって思ったり。
いつも平常心でいるのは意外と難しいものです。一人でいるとつまらないことばかり考えてしまいます。だから誰かがそばにいて欲しいって思う時もあれば、放っておいてよと思う時もあるんです。
桃子さんと基くんは「余計なお世話」、百音ちゃん「へんな思いやり」。そんなものはいらないと言っています。ホントその通りだわ!
統理くんは「手をとり合ってはいけない人なんていないし、誰とでも助け合えばいい。それは世界を豊かにするひとつの手段だと、少なくとも僕は思っています。」と語っていました。
そんな気持ちを感じてくれる人がそばにいてくれるって幸せだなぁって、感じることができる本でした。
#わたしの美しい庭 #NetGalleyJP
1669冊目(今年207冊目)
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