『国境を越えたスクラム』 山川徹
今年の秋に開催された「ラグビー・ワールドカップ」、これまでラグビーの試合を見たことがなかった人も含め大勢の人たちが熱狂しました。日本代表がベスト8に残ったという結果はモチロン、選手たちのひたむきさ、熱意、誇り、そういったものがプレイを通して伝わって来たからこそだと思います。「にわかファン」と自嘲気味に語る人たちが増えたことも大きな収穫です。これまでで一番ラグビーが注目を集めた年となりました。
日本でラグビーを楽しむ人たちは、ある程度はいましたけれど、本格的にプレイヤーが増えたのはやっぱり「スクール・ウォーズ」以降なのだそうです。そのころ、トンガから留学生がやって来たのです。受け入れる側もトンガがどんな国か分かっていなかったし、やって来たトンガの高校生も日本がどんなところかまるで分かっていなかった。でも、そこから日本ラグビーの歴史が変わってきたのです。
その後、ニュージーランドから、オーストラリアから、韓国から、様々な国籍の選手がやって来ました。いろんな軋轢もあったけれど、チームとしてラグビーをするのに国籍など関係ないということを、彼らは証明してくれたのです。
ラグビー日本代表にどうしてあんなにガイジンが多いのだ?と非難する人もいますけど、それはラグビー選手たちの本当の気持ちを知らないからなのでしょう。この本を読んだら、そんなこと絶対に言えませんよ。彼らは自分の意志で日本を選んだのですから!
今年の「新語・流行語大賞」となった「ONE TEAM」という言葉、その意味を実感できる本でした。
生まれた場所とか、人種とか、そんなものに縛られている世界はもうお終いにしましょう。仲間だと思える人と力を合わせて生きていくこと、それが一番大事なことですから。
1692冊目(今年230冊目)
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