『本屋の新井』 新井見枝香
新井さんは本が好きで書店員になったから、その仕事が重労働であろうと、長時間勤務になろうと、意外と苦にしてはいません。でも、昇進してしまって書店ではないところに配置転換されてしまった時には、とても困ったというのには「分かるなぁ」って感じました。
もしパラレルワールドがあったら、わたしも書店員になってたかもしれないから、新井さんのボヤキやため息や笑顔に、いちいち「だよね~」と思うのです。
バックヤードで一生懸命に働いてくれていた学生さんが就職して、書店を辞めると聞いた時に「わたしが会社なら、この子をヘッドハンティングしてる!」という心の叫びは、確かに本社の人に聞いて欲しいですよね。でも、書店って労働力と比べて給料が安そうだからなぁとも思います(笑)
本のカバーや紙袋をもっと減らせないかなという意見も良く分かります。薄利な本屋さんのことを考えると、大きな袋などは有料化してもいいのかなと思います。これも、どこか大手書店がやりださないと、誰も怖くて言い出せないことなのかもしれませんけどね。とはいっても利益率が低い書店の場合、こういう経費はバカにならない部分です。
どんなに忙しくても本を読む時間は削らず、どんな無理難題を言われても笑顔を絶やさない書店員さんたち、彼らの待遇改善のためにも、余計な袋などをもらわないようにする購買者側の考え方も変えていかないとねと思うのです。
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