『すごい人のすごい話』 荒俣宏
「竹村公太郎さんと楽しむ土地からの発想」、「林公義さんと推理する天皇陛下の自然学」、「浜辺祐一さんと覚悟を決める”人の死に方”」、「早坂暁さんと白装束で巡る死出の旅路」など、15名のすごい人と荒俣先生の対談が収められています。
博覧強記の荒俣さんがすごいと評価する方たちですから、ホントにみなさんすごい、面白い、極めているのです。
その中でも、最後に登場した早坂さんのお遍路さんの話が、心に強く残りました。わたしはこれまで漠然と、お遍路さんとは霊場を廻る人くらいにしか思っていなかったのですが、それぞれの人の胸の中に深い何かがあって、それを吹っ切るために、あるいは深く考えるために歩いているのだということを初めて知りました。
今でこそバスツアーもあったりしてお気軽な感もあるお遍路さんですが、昔は死もいとわない強い意志で四国へ渡る人がたくさんいたのです。不治の病、借金、暴力をふるう家族から逃げるなど、昔は家族や生まれた土地から逃れるためには、こういう方法しかなかったのかもしれません。
竹村さんの忠臣蔵の裏話というのも、とても不思議な話でした。赤穂浪士の敵討ちに便乗する形で幕府が吉良家の抹殺を狙ったというのは、凄い話だなぁと思うのです。そのために吉良家を当時としては郊外の両国へ引越しさせ、赤穂浪士を半蔵門そばに住まわせたというのは、確かに普通ではない話ですものね。
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