『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』 森達也
メディアをすべて信じ込んでしまうことには問題がある。でも、すべてを作りごとだと否定してしまうことも少し違う。(本文より)
テレビ、ラジオ、雑誌、ウェブなど、世の中には情報を伝えるためのメディアがたくさんあります。ほとんどの人は、それが本当のことだと信じて物を買ったり、これが流行なのかと思ったりしています。
でもメディアがわたしたちに伝えてくることとは、メディア側の都合があって伝えていることだということを忘れてはいけません。ある商品を売るために、ある人を人気者にするために、ある事件を伝えるために、という意思が働いていることを。
よくCMで言うじゃないですか。「この商品はお買い得です!」「限定期間だけのお得な価格!」なんてね。わぁ、安いわぁ、お得だわぁって思って買うわけですが、実際には、その商品が売れてお得なのは売っている人の方じゃないですか?
最近、キャッシュレス決済だとお得だと国を挙げて広告してます。それに乗ってお買い物をしている人もたくさんいると思いますけど、それってホントにお得なの?というか、ホントにそれを買う必要があるの?今自分が持っているもので足りてるんじゃないの?中古品で充分なんじゃないの?なんて考えるのはわたしだけかしら?
全ての情報には、必ず誰かの視点が入っている。たとえばニュースだったら、記事は記者が書いている。カメラマンが撮っている。記者によって書かれる内容は変わる。同じ場所でもカメラマンによって写真は変わる。
それが意図的か、そうでないか、どちらにせよ真実がそのまま伝えられるということはないのです。情報に何らかのバイアスがかかってしまうのはしょうがないのです。それを理解していないと、ニセモノや怪しいモノに振り回されるばかりなのです。
まずは疑ってみることです。ニュースの情報源はどこ?反対意見は?これは、それほど大騒ぎするほどのニュースなの? etc...
ただ情報を鵜呑みにしていたら、何か大きな力によって方向づけられているかもしれない世の中の動きにのせられちゃうじゃない!
自分の頭で考えて、自分で調べて、自分で判断して、自分で決めなくっちゃ!!
この本は子供向けに書かれていますけど、こういうことを分かっていない大人こそ読まなくっちゃ!な本だと思います。
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