『あの子の秘密』 村上雅郁 カシワイ
明來(あくる)ちゃんは、最近引越してきたばかりです。今日から新しい小学校へ行きます。家を出てすぐに同じくらいの歳の子が歩いていたので声を掛けましたが、彼女はまともにとりあってくれません。できれば友達になりたかったのに、でも学校へ行ってみたら同じクラスでした。彼女の名前は小夜子。学校の帰りに彼女と友達になりたくてそばへ寄っていったら、彼女の足元には黒い猫がいたのです。
小夜ちゃんの黒い猫、彼は小夜ちゃんのたった一人(一匹)の友達なんだけど、実は誰にも見えない猫。これまで誰にも内緒にしていました。なのに明來ちゃんには見えることが分かって小夜ちゃんは慌てたのです。
そして、明來ちゃんにも誰にも言えない秘密があって、2人は不思議な力に引き寄せられるようにして友達になっていったのです。
この物語は子供向けに書かれてますけど、本当は大人に読んでもらいたいような内容だと思います。
自分の心を閉ざしてしまっている人、一見明るく見えてるけれど、実はそのように演じているだけの人。何かのきっかけで友達を失くしてしまった人。そういう人に是非読んでもらいたい本です。
みんな何かしらのつらさを持って生きているんだから、それを隠して生きていくのはとっても辛いんだから、友達ってとても大事なんだよねって改めて考えさせられた物語でした。
#あの子の秘密 #NetGalleyJP
1672冊目(今年210冊目)
« 『すごい人のすごい話』 荒俣宏 | トップページ | 『森崎書店の日々』 八木沢里志 »
「日本の作家 ま行」カテゴリの記事
- 『しあわせしりとり』 益田ミリ 134(2023.05.14)
- 『すべての雑貨』 三品輝起 130(2023.05.10)
- 『スナック キズツキ』 益田ミリ 109(2023.04.19)
- 『牧野富太郎と、山』 牧野富太郎 118(2023.04.28)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『人がつくった川・荒川』 長谷川敦 132(2023.05.12)
- 『一年一組 せんせいあのね』 鹿島和夫 ヨシタケシンスケ 140(2023.05.20)
- 『寝煙草の危険』 マリアーナ・エンリケス 139(2023.05.19)
- 『ぼくらは星を見つけた』 戸森しるこ 136(2023.05.16)
- 『小日向でお茶を』 中島京子 116(2023.04.26)
コメント