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『夏の約束』 藤野千夜

夏の約束

藤野千夜(ふじの ちや)

第122回(平成11年度下半期) 芥川賞受賞

 マルオは大食いで結構なデブ(笑)、ヒカルと一緒の時にはいつも手をつないで歩いているので、通り過ぎる人たちから結構ビックリされて二度見されたりしてます。会社のトイレには「デブのゲイ」って落書きが書かれてます。つまり、彼がゲイであることは会社内で知られているらしいです。

 ヒカルの幼なじみの菊枝には、特殊学級へ行っていた兄がいて、けっこうイジメられた思い出があるんです。

 美容師のたま代さんはトランスセクシャルで、愛犬との生活を楽しんでます。

 みんな普通の生活を楽しんでるんだけど、ちょっとした時に嫌な目にあってしまいます。ゲイだろうがトランスセクシャルだろうが障碍者だろうが、自由に生きていいはずなのに、何故か彼らに嫌な言葉を投げかけたり、変な目で見たりする人っているんですよね。

 人のことをどう思うと勝手だけど、わざわざ本人の前に行ってそんなことしなくていいのにね。自分がそんなことされたら嫌だなぁって発想がないのかな?

 マルオたちは、将来のことは良く分からないけど、とにかく毎日を楽しく生きていこうとしてます。今度ピクニックに行こうよなんて計画を立てたり、おいしいものを一緒に食べたり。

 ホンワカした空気の中で、誰にだって自由に生きる権利があるんだよってことを感じる物語でした。

1727冊目(今年32冊目)

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