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『図書室』 岸政彦

図書室

岸政彦

第32回三島由紀夫賞 候補作品

・図書館
 ひとり暮らしの女性が、自分が小学生だった頃のことを思い出しています。夜の仕事をしていた母親と2人暮らしで、ひとりで留守番していることが多かったこと。地元の公民館の図書室で本を読むのが好きだったこと。そこで出会った同い年の少年と一緒に計画したこと。猥雑な町だったけど、小学生がひとり歩きしても大丈夫だったあの頃。

 子供の頃って、今思えば不思議なことをやってみてたなぁって、自分も同じ年だった頃のことを思い出しました。学校でいやなことがあっても、自分の居場所が見つけやすかったあの頃。今って時代は便利になったようでいて、実はがんじがらめの不便な社会になっちゃったのかなと思えてきました。

・給水塔
 この作品は著者が青年だったことを思い出しながら書かれたエッセイです。音楽にのめり込んでいたこと。でも才能がなさそうだと気付いてしまったこと。肉体労働のバイトをしていたこと。そこで出会った不思議な男友達、女友達。なんてことない景色を見つめながら、小さな幸せを感じていたあの頃。

 淡々としているけれど、彼らのいる場所の景色が見えてくるような不思議な作品でした。

 図書室のおじさんたちは新聞を読んでいるか、寝ているか、今もそんな感じですよね。

1738冊目(今年43冊目)

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