『最後の授業 完全版 福岡伸一』
消化管は2~3日で入れ替わっています。他の臓器も早い遅いはあれ入れ替わっていて、筋肉だと2週間ぐらい、血液の細胞だと数か月で入れ替わります。骨や歯のように固まっているようにみえる部位でも中身は入れ替わっています。脳細胞も細胞と細胞の配置は変わりませんが、細胞の中身は入れ替わっています。
エントロピー増大の法則は少し難しく聞こえる言葉ですが、宇宙のシンプルな大原則で、秩序のあるものは秩序がない方向にしか動かないという法則です。
いれたての珈琲は熱々で薫り高いものですが、10分もたてばぬるくなります。熱烈な恋愛もコーヒーの様に冷めてしまうのはエントロピーが増大するからです。
なぜ、生命だけがエントロピー増大の法則に逆らって生きながらえているかというと、最初から頑丈に作ることをあきらめて、自分自身をゆるゆるやわやわに作っておき、それを常に分解して、捨てて、作り替えるという戦略を取ったからです。(本文より)
わたしたち生物は常に生まれ変わっているのです。厳密にいえば、昨日のわたしと今日のわたしは違うものなのです。それなのに、同じものの様に見えるし、昨日の記憶を今日も持ち続けていられのは、そのように設計されているからなのです。
それに気付かない人間は、自分はいつまでも同じだと思い込んでしまうのです。だから、自分が存在する世界を永遠に続くと信じてしまったり、自分は永遠に生きられると思ってしまったりするのです。そして、変わらないことがいいことだなんて妄想を抱いたりしてしまうのです。
そんな考えは所詮妄想ですから、いつかは終わります。どんなに強大な力を持っていた王様だって、いつかは死にます。あんなに頑張った徳川幕府だって15代で終わったんです。永久に続くなんてことはないのです。
この世に生まれてきたら、いつかは死ぬのが運命です。だから、生きている間に何ができるのか?何をしたいのか?無理する意味はあるのか?そんなことを考えさせられた本でした。
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