『泣きたくなったあなたへ』 松浦弥太郎
ウェブサイト「くらしのきほん」に夜間限定(20:00~5:00)で書かれていたエッセイを中心にまとめられた本です。どんなに頑張っていても、湧いてくる不安、悲しみなど、普段の松浦さんからは知りえなかった「弱さ」を見せてくれています。弱さを出すのは怖い、でも弱さを隠し続けるのはもっと怖い。そんな正直な心の内です。
無関心は愛を遠ざけます。
愛の反対は憎しみではなく無関心です。(本文より)
世間のほとんどの人は何も言いません。そんなこと言ったってしょうがないやと思っていたり、そもそも他者に興味を持っていない人ばかりなのです。嫌なことを面と向かって言う人はそんなにいません。だからこそ、ダメ出しをしてくるのはいい人です。その時はイヤな気持ちになるかもしれないけど、それだけ自分に関心を持ってくれているということは、ありがたいことです。
原因はいつも「自分」と覚えておきましょう。
「あいつが悪いからこんなことになったんだ」と考えがちです。でも、相手が100%悪いことなんて滅多にありません。比率は低いかもしれないけれど、自分だって悪いんです。自動車事故で明らかにこちらが青信号だったという時だって、10%は過失があるという計算をします。自分では気が付かない何かが相手にそう言わせたのかもしれません。相手がそういう態度を取るきっかけを作ってしまったのかもしれません。
病気や怪我はメッセージとして受け止めましょう。
この病気や怪我は自分に何を伝えてくれるんだろう。
病気や怪我は嫌なことですけど、そうなったのにはたいていは原因があります。原因が良く分からないにしても、自分のことを見直すきっかけになるかもしれません。このところ忙しすぎて疲れてたなぁとか、家族と余り話をしていなかったなぁとかね。このまま気付かずにいたら死んじゃうかもしれないから、神様がくれた休暇なのかな?なんて考えてみる機会なのかもしれません。
ネガティブな気持ちを嫌なものとして蓋をしてしまいがちですけど、時々口にしてみるのも大事なことかもしれません。嫌だなぁ、辛いなぁ、苦しいなぁ、寂しいなぁ、自分の口から出てきた意外な言葉にビックリしちゃうかも、独り言でもいいし、誰かに黙って聞いてもらうのもいいかもしれないです。
裏山に穴を掘って「王様の耳はロバの耳」って叫んだみたいに、胸の内の黒いものを吐き出したらいいんですよ。そしたら、今夜ゆっくり寝られるかもしれない。人間ってそんなものでしょう。
1749冊目(今年54冊目)
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