『車夫』 いとうみく
吉瀬走(きつせそう)くんの父親は、事業に失敗して失踪してしまいました。家を手放して借金を返し母親とアパート暮しをしていたのですが、その母親も失踪してしまいました。たった1人残されてしまった彼は高校を中退してフラフラしていました。そんな彼に高校の陸上部のOB前平さんが、車夫にならないかと誘いに来たのです。
走ることが好きな走くんにとって、車夫という仕事は合っていたようです。そして「力車屋」の社長夫妻も従業員も優しい人たちで良かった。
みんないろんな過去を持って生きてるから、他人に優しくできるんだよね。そんなことを感じる作品でした。
悲しいことがあっても、きっと楽しいことがある。辛いことがあっても、優しい人がいる。だから人は生きていけるんだよね。
続編もあるようなので、それも是非読みたいです。
この7編が収められています。
- 尾行にはむきません 悠木乃亜
- 力車屋 吉瀬走
- 日暮荘の住人 前平俊平
- もう一回 増岡大樹
- 信じるものは 豆木勝之助
- たいせつなもの 神谷琳子
- 帰るところ 吉瀬走
1754冊目(今年59冊目)
« 「dele(ディーリー)」 本多孝好 | トップページ | 『モモ』 ミヒャエル・エンデ »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『サンショウウオの四十九日』 朝比奈秋 25-127-3523(2025.05.10)
- 『ディア・オールド・ニュータウン』 小野寺史宜 25-124-3520(2025.05.07)
- 『小松とうさちゃん』 絲山秋子 25-122-3518(2025.05.05)
- 『青い壺』 有吉佐和子 25-119-3515(2025.05.02)
- 『君の六月は凍る』 王谷晶 25-117-3513(2025.04.30)
コメント