『縁』 小野寺史宜
「霧 KIRI」「塵 CHIRI」「針 HARI」「縁 HERI」4つの物語が「終 OWARI」でフワッと着地した感じの短編集でした。
人はそれぞれ真面目に生きてるんですよ。でも、それだけじゃ上手くいかないことがあって、つまづいたり、倒れたり、泣いたりするんです。でもね、倒れっぱなしじゃないんですよ。何とか自分で立ち上がろうとするし、もし自力では無理だったら誰かの力を借りてみようとするんです。
そして、誰かに助けてもらうこともあるし、話を聞いてもらっただけで解決してしまうこともあるんです。それが人と人との「縁」ってものなのでしょう。
『塵』の彼女、最初はイヤな女だなぁって思ったけど、段々とイヤじゃない感じになってきて、人は関わる人との関係で変わっていけるんですね。
修理屋さんの彼は、前の仕事は上手くいかなかったけれど、この職業が天職だったのかなって思えます。マイペースでできること、人の役に立てるという実感があること、それが彼には合ってたのね。
人生にはいろんな面倒なことがあるけれど、嫌なことばっかりじゃないんだよって思える作品でした。
1748冊目(今年53冊目)
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