『「勘違い」を科学的に使えば武器になる』 堀田秀吾
「みんな」とか「ほとんど」とかいう側の「みんな」や「ほとんど」は、実は2つ3つくらいの例からきていることも珍しくありません。
人は権力感を持つと共感力に欠けるため、自分のおこないについては寛容になる一方、他人のおこないに対して厳しくなる。
言ってしまえば、バカだから自分がバカなことが分からないバイアスです。(本文より)
2番目のなんて、今の日本の状況そのものですよね!!
アタタ~!自分の頭の中にあるバイアス(かたより・思い込み)というのは実に恐ろしいものです。それが間違っているかもしれないという疑問など全く持たず、これでいいのだ!と信じちゃっているのですから、よっぽどのことがない限り訂正されることはないのです。
バイアス、言い換えてみれば思い込みというのは、いろんなところにあります。例えば、家族が家事を手伝ってくれない。こんなこと誰でもできるようなことなのに、なんでできないの?なんて思うことがたくさんあります。でも、それも単なる思い込み。ちゃんと説明していないからやってもらえないなんてことは、ホントに沢山あるんです。
わかってくれない人には過度な期待をせず、必要な要素は全部ことばにするくらいの意識で、情報量多めの会話を意識してください。
ここで例にあげられていた文章が凄いです。ここまで言わなきゃいけないのかと思いつつも、ここまで言われて初めて分かる人もいるってことを知らないとね。
「いつも忙しくて、こんなことお願いするのも申し訳ないんだけど、家出るとき手がふさがっているから、燃えるゴミを出すの、お願いしていいかな。台所のゴミ箱の中身を出してもらえる?で、新しいゴミ袋もかけておいて」
ただ、ゴミ出しておいてと言っただけでは、単にゴミが入った袋を運ぶだけで仕事が終わったと思われてしまうのです。台所からゴミ袋を持ち出す+新しいゴミ袋をセットする。ここまでやって、初めて1つの作業が完了なのです。
何かを頼まれて、その言葉(この場合で言えば「ゴミを出す」)で表現されることだけではなく、付随した作業があるのだという想像力がない人がほとんどなのです。だから、その想像力のなさに怒るのではなく、想像しなくてもできるところまで指示を徹底すれば、ちゃんとやってもらえるんです。
自分自身が持っているバイアス、他の人が持っているバイアス、どちらもあるんだなって知ることが、人と人とのコミュニケーションの第一歩なんですね。
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