『カラフル』 森絵都
一度死んでしまったぼくは、天使のプラプラに「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」と言われた。そして中学3年生の小林真の体にホームステイして 自分の罪を思い出さなければならないことになった。でも、ぼくは前の人生でどんな罪を犯したのかちっとも分かっていなかった。
両親と兄とのぎくしゃくした関係、学校へ行っても誰も声を掛けてこない。真は孤独な奴だった。でも、そんな真の体を借りて自分は生活しているから、ちょっとジタバタしてみた。
子供の頃の世界って、自宅と学校しかないんだよね。だから、どちらかに生き甲斐を見出せなかったら生きていけなくなっちゃう。自分の子ども時代のことを思い出してみると、わたしは割と幸せだった。家はつまらなかったけど、学校は楽しかった。友達もいたし、部活も楽しかった。だから学校へ行きたくないなんて思ったことは一度もない。
真くんは絵を描くことが好きだったらしい。それが気持ちを落ち着けさせる唯一のものだった。でも話をすることは苦手だったみたいで、自分が疑問に思ったことを相手にぶつけるということが苦手だったのね。ちゃんと話をしてみると、意外な答えが返ることもあるんだけどなぁ。
この物語みたいに、自分のことをちゃんと振り返ってみることができたらいいなぁ。そしたら、自分の勝手な思い込みで、勝手に落ち込んでいたってことに気付けるものね。
1759冊目(今年64冊目)
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