『虹いろ図書館のへびおとこ』 櫻井とりお
ほのかちゃんの家族は、この町へ引越してきたばかりです。お母さんが病気で入院しているので、今はお父さんとお姉さんと3人で暮らしています。転校してきたばかりのほのかちゃんには「かおり姫」という友達がいたんですけど、彼女に嫌われてしまって、その後はいじめられっぱなし。すっかり学校へ行くのがイヤになってしまいました。
そんなほのかちゃんが自分の居場所を見つけたのが図書館でした。図書館の人たちは、ほのかちゃんが学校に行っていないことに気付いているはずなのに何も言ってきません。それどころか、本の面白さを教えてくれたり、行事に参加させてくれたり、ほのかちゃんにとって安心できる場所になったんです。
図書館で「スタビンスくん」と友達になりました。この名前にはニヤニヤってしちゃいましたよ。ドリトル先生に登場する少年の名前じゃないですか!
学校で嫌なことがあっても、それを家族に相談したくないという気持ちを、大人はなかなか分かってくれませんよね。とはいっても、学校以外に行くところってのがなかなか見つからないし、ほのかちゃんは図書館という場が見つかったから良かったけれど、どこへも行けなくなって引きこもってしまったり、死んでしまう子もきっといるんだろうなぁって思うと、心が痛みます。
ほのかちゃんが少しずついろんなことを考えるようになり、少しずつ強くなっていくところがステキでした。いい物語だなぁ!
1767冊目(今年72冊目)
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