『神宮道西入ル 謎解き京都のエフェメラル』 泉坂光輝
壱弥さんは探偵をしています。事務所の看板には「あなたのなくしもの、見つけます」と書かれています。この事務所は、元々はナラさんの祖父が弁護士事務所を開いていた場所です。
その場所を引き継いでいる壱弥さんは不思議な人です。掃除にも食事にも無頓着で、でも清洛堂の豆大福が大好きで。時々事務所の掃除という言い訳でやってくるナラさんは、彼のことをもっと知りたいと思っています。
とっても変人だけど、壱弥さんが素晴らしいのは、物や人を探すということよりも、それが無くなったことによって失ってしまった悲しみを少しでも和らげようとしているところです。
京都の町を歩き回る彼らの姿を想像していると、京都に旅に行きたくなってしまいます。そして、おいしいお菓子と抹茶を頂きたいなぁって気持ちになってしまいます。
この本には、この3篇が収められています。いかにも京都ねという風情がすてきでした。
・姫百合と葵のひめごと
・青い宝石と海辺のソネット
・たまゆらと思い出の帰る場所
#謎解き京都のエフェメラル #NetGalleyJP
1783冊目(今年88冊目)
« 『兄の名は、ジェシカ』 ジョン・ボイン | トップページ | 『あとを継ぐひと』田中兆子 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『バールの正しい使い方』 青本雪平 83(2023.03.25)
- 『講談えほん 曲垣平九郎 出世の石段』 神田伯山 石崎洋司 五十嵐大介 81(2023.03.23)
- 『海の見える理髪店』 荻原浩 77(2023.03.19)
- 『書く習慣』 いしかわゆき 74(2023.03.16)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『すごいゴミのはなし ゴミ清掃員、10年間やってみた。』 滝沢秀一 69(2023.03.11)
- 『恋とそれとあと全部』 住野よる 71(2023.03.13)
- 『愛媛県新居浜市上原一丁目三番地』 鴻上尚史 85(2023.03.27)
- 『おにぎり猫のものがたり 第一巻』 ミケパンチ 56(2023.02.26)
コメント